今回は、立命館大学スポーツ健康科学部教授「藤田聡」先生監修の、「図解 眠れなくなるほど面白い たんぱく質の話」の概要をまとめていきます。
三大栄養素の一つであるたんぱく質は、体作りの面において非常に重要な役割を担っていることが述べられています。
特にダイエットや美容に結びついた内容が多かったため、痩せたい人は必見の内容が多いという印象を受けました。
知識がない人にもわかりやすい導入がなされているので、誰にとっても読みやすい内容となっています。
概要3点まとめ
- 体の大部分はたんぱく質により形成されている。筋肉や血管、内蔵や皮膚、髪の毛など、体重の約30~40%の重量をたんぱく質が占めている。
- ダイエット中の人にとっては、高たんぱくの食事が必須。長期的にダイエットを成功させるには、筋肉量増加による代謝増加が大切。
- 一日に約60gのたんぱく質摂取が大事。一度に摂取ではなく、一食約20gを意識する。
概要解説
たんぱく質は体重の30~40%
たんぱく質と聞くと、「筋肉を作るための栄養価」というイメージがあるが、筋肉以外の体組織にも必須な栄養素となっている。
爪や髪の毛、内蔵や血管などもたんぱく質より形成されており、筋肉に至っては約80%がたんぱく質より形成されている。(残り20%は水)
ダイエット中の人は高たんぱくの食事を意識
ダイエットと聞くと、食事制限や糖質制限など「食べる量を減らす」減量方法を意識してしまいがちだが、それは間違いだと本書で述べられている。
その理由は、「筋肉量の低下による代謝の減少」が起こるからだ。
一日の消費カロリーの約60~70%は基礎代謝によるもの。基礎代謝のうち、約20%を筋肉が占めている。食事制限によりたんぱく質不足に陥ると、筋肉量が低下する。筋肉量が低下することで基礎代謝が少なくなるため、短期的には痩せることができても、リバウンドの確率が高くなってしまうのだ。
たんぱく質は一日60gを目安に摂取する
簡単のため一日60gと表記したが、実際には
体重1kgにつき、0.9gのたんぱく質を目安に接種する
ことが勧められている。これは厚生労働省による「日本人の食事摂取基準」より算出された値だ。
また、自身のライフスタイルに合わせて必要なたんぱく質量も変わると述べられている。妊娠中や授乳期の女性や体を動かす機会が多い方はより多くの接種が必要になる。
下記は本書で紹介されている計算シートだ。自身の生活に合わせて計算してみるとよいだろう。
ここで注意したいのが、ここで計算したたんぱく質摂取量は「1日3食の中でバランスよく摂取すること」が重要なことだ。
上記の量を一食で接種するのは現実的ではないし、バランスよく摂取することによるメリットも存在する。それが、「筋肉の分解を防ぐ」点だ。
筋肉中のたんぱく質はエネルギー不足になるとエネルギーに変換される。逆に食事によりたんぱく質が接種されると、筋肉では筋たんぱくの合成が始まる。特に間が空いてしまう夕食→翌朝食間は、エネルギーが不足し筋肉が分解される「カタボリック」の状態に陥りやすい。
朝食や昼食でしっかりとたんぱく質を補給し、筋合成である「アナボリック」状態の時間を増やすことを意識するのが重要だろう。
筆者の感想
筆者自身は学生時代に水泳をしていたため、運動後のプロテイン摂取の重要さに関してはある程度の知識がありました。本書の序盤においては既知の内容も多かったですが、後々触れられる必須アミノ酸と非必須アミノ酸の内容に関しては興味深かったです。
筋肉の合成を促成するロイシンや、同様に筋合成を助ける分岐鎖アミノ酸(BCAA)の話は初めて見る内容だったため、今後は意識して食生活に取り入れていきたいと感じました。
本書の良い点としては、
- 解説1ページ、図解1ページで読みやすい点
- 初心者にもわかりやすくするため、専門用語や突っ込んだ内容は少なめ
- 付録の「各食品のたんぱく質量一覧表」
などがあげられるでしょう。
「眠れなくなるほど面白い」シリーズは初めて読みましたが、読みやすい内容なのでスラスラ読むことができました。他の栄養素に関しても同シリーズが存在するため、次は別の栄養素のものを読んでみようかと思います。PrimeReadingで無料で読めますしね
本書が合う人
たんぱく質に関しては、浅い内容からある程度突っ込んだ内容まで幅広くカバーしている本書。あえて「こういった人に合う本だな」というのを挙げるとすれば、
- ダイエット中や、これからダイエットを始める方。絶対に痩せたい方
- 健康的な肉体作りをしていきたいと考えている方
でしょう。上記の方々にとっては、まさに必読な内容であると感じました。自身のダイエット内容や食生活が間違っていないかを確認するためにも、一読してみることをおすすめします。
タイトル通り面白い内容になっているので、気になる方はぜひ読んでみてください。
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